名もなき感情を綴れ。

だいたいマンガのこと

2018年上半期に読んだマンガの中から面白かった6冊を紹介する回。

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ちょえっす、お久しぶりです。shotataです。


ここしばらくバタバタしてまして、しばらく店じまいしてたんですが
ブログこそ更新してなかったものの、マンガだけはキッチリ読んでましたんで、ここらでどかーんと紹介させてもらおかなと、そんなはこびです。

それではさっそく!「2018年上半期に読んだマンガの中から面白かった6冊を紹介する回。」はーじまーるよー

 


1冊目「違国日記」

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著者:ヤマシタトモコ
出版:祥伝社

 

とにもかくにも、このマンガをオススメしたくて久しぶりにブログを更新していると言っても過言ではない
絵も話も好みすぎて今年の暫定トップは確実な勢いなんですが

すげえなって思うのは話ですよね
セリフ選びというか、場面のチョイスというか

両親を事故で亡くした中学生のおんなのこが主人公で
亡くなったお母さんの妹が、その子の後継人となって二人で暮らし始める
ってのがざっくりとしたあらすじなんですが

多感で恋に敏感で、子犬のような、スポーティさもある女子中学生と
美人でかっこいいのに、ひとと関わるのが苦手で、不器用な小説家

キャラが喋って動くロジックが、キャラ自身も理解できないのに体は動いているって感じで、矛盾もあって、だからこそ自然で
人間が登場するマンガを読んでるって感じがして、ほんま好き

ほんで、セリフがほんま良いんすよ
詩的でリズミカルで、心の中で反芻したくなるような

やばいす、ぜんぜん良さが伝えられてる気がしないんすけど、読んでくれやぁ

 


2冊目「星明かりグラフィクス」

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著者:山本和音
出版:KADOKAWA(ハルタ)

 

美大のお話です。
実力派コミュ障と、美大にはあらゆるコネを作りに来たコミュ力おばけの二人組が、デザイン100本ノックをしたり、文化祭でがんばったりします

これのおもしろいとこは、二人がしっかり友情してるとこですかね
あと、起承転結がしっかりあるからなのか、先へ先への物語的推進力が強いです。
この推進力の強さと、二人がそれぞれの方向へ楽しくストイックに頑張ると、結果的に良いコンビになっている
っていう、このグルーヴ感がすげえ楽しいんすね

実力派で努力家な”吉持”は、職人タイプやからお題がないとやる気スイッチ入らへんのに、昔のトラウマが原因の潔癖症で人に触れることができひんくて
そこを、面白い事には頭から突っ込んでいき、吉持が唯一パーソナルスペースを許した女、”園部”がスイッチ押し係としてスイッチを押しにく。と

そんなはなしなんすよ

美大マンガやけど、美術とかアートとか、そういうのでなく
美大で好き放題する二人の日常生活って感じです

四畳半みあります

 

 

 

3冊目「罠ガール」

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著者:緑山のぶひろ
出版:KADOKAWA(電撃)

 

こちら、タイトルそのまんまやんけ案件
罠を仕掛けて野生動物を捕まえる女の子が登場するマンガです

田舎に住む農家の娘が主人公で、自分とこの畑を荒らす害獣を駆除するために「わな猟免許」を持ってて
鹿とか猪とかをどうやったら罠にかけられるのか、とか
そんな話です。

なんか、全体的に淡々と進んでいく印象があるんですけど
変に物語物語してないのがええんやと思います

罠を仕掛けて、試行錯誤して、最後には捕まえてっていう、きちんと起承転結はあるんですけど、変にゴテゴテ面白さを足してないのがすげえいいです。
ニッチなジャンルに焦点を当てた、まさにサブカル的な面白さがある題材なので、もうそのジャンルだけでかなり面白いですからね
罠についても生き物についても、わかりやすく、わかりやすいは面白い

害獣とはいうが、生き物の側が100%悪いわけでなく、人間の都合で処理してるわけやから、ちゃんと供養せなあかん。
みたいな話もあって、普通にリアルな現場イズムを感じます
作者はリアル農家だそうです。へー。

 


4冊目「ここは今から倫理です」

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著者:雨瀬シオリ
出版:集英社

 

倫理とは、学ばなくとも将来困ることはない学問。
しかし、この授業には人生の真実が詰まっているーー

雨瀬シオリ先生って、「ALL OUT!!」っていうラグビーマンガを書いたはる方で
スポーツものをがっつり書いてる人が、こんな絵的に地味で会話メインっぽい話を書くのかぁ

って、興味から手に取ったんですけど、思ったよりアツい

主人公は、倫理教師
丁寧で真摯な言葉を紡げる人はめちゃくちゃかっこいい
普段はクールで陰のある雰囲気の先生やけど、要所要所でみせる感情たっぷりな表情が人間味を感じさせて
すごく魅力的な、セクシーなキャラクターです

倫理がテーマの話なんすけど、ぐう正論で人を黙らせるわけではなくて
答えのない問いに対して、相手と一緒に考えて、そこから先に進んでいくための手助けをする。
ここまで歩んで来た人生を、ここからまた歩んでいくために

僕好きなんは2話の、自殺をはかろうとする女の子をとめる話ですね

劇中で悩める生徒たちと自分は全く同じではないけども、言語化することで寄り添える迷いがあって
その言語化を手助けしてくれるのが倫理であり、先人の言葉なんすね

生きねば。

 

5冊目「地獄楽」

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著者:賀来ゆうじ

出版:集英社


ヒロアカの堀田先生がTwitterでおすすめされてたんを見て知ったと記憶してるんですけど

いや、このマンガおもろっ

絵に圧があって、話の運びが丁寧で、一話の始まりからぐっと引き込まれるダーク系のジャンプ作品というと
ファイアパンチを思い出すんですが、そのカテゴリですよね

ほんでもう、ほんと適当なことしか言えないんすけど
どいつもこいつもキャラがたってまして
キャラをたたせるためのエピソードにはしっかりページを割きますし、その流れは自然でトントン拍子なんで
するするっと読んで、早く続きを!ってなります

この密度を週刊連載って、イかれてますよ正直

絵は丁寧、テンポの良い話、魅力的なキャラクター

今、パンピーに「面白いマンガ教えて」って聞かれたら、「地獄楽」って答える

 


6冊目「キャッチャー・イン・ザ・ライム」

 

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著者:背川昇
出版:小学館

 

年明け前後あたりから、ラップマンガがどかっと出版されましたよね
「日ポン語ラップの美子ちゃん」とか「ラッパーに噛まれたらラッパーになる漫画」とか「ライミングマン」とかとか、コミティアでも何冊かお見受けしましたし

漫画界隈を追いかけてて面白いんて、こういうとこもありますよね
サブカル的にホットな話題が結構な回転率で作品になって世に出ていくっていう

ほんでこの、キャッチャーインザライムなんすけど
女子高生5人の青春ラップバトル漫画ですね!

言葉のバトルですから、5人は言葉で戦うわけですけど、セリフにキャラがにじみ出てるんすよ
ここまでの人生で見聞きしてきた言葉を組み合わせて、今の気持ちを相手に伝えるライムを紡ぎ出す
セリフよりもさらに色濃く、ライムにはキャラクターがのるんすね

そのためにそれぞれのキャラクターのコンプレックスとか、過去のトラウマとかの話があって
そういうもんを乗り越えて、その経験が今の自分の言葉になると。

セリフから滲み出る個性が濃いですね

まさかの2巻で完結。
もっと読みたかった

 

 

ってな感じで今回は6冊です!
いかがだったでしょうか

コミティア特集とかもやりたいんすよね

それではまたどこかでお会いしましょう!
さようなら